弾き、弾かれ

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水面下にて潜む者達

某所――

屋敷の庭でテーブルを挟みティーカップに入った紅茶を嗜んでいる二人の少女。
片や学生服、片や豪奢なドレス。
共通項と言えば―――赤。

片方の少女は赤い帽子を被っており――
片方の少女はルビーの様な深紅の瞳をしていた。


「…あたしに聞きたいことって、何さ?」

少々冷めてしまった紅茶をぐいっと飲み干し、赤帽子の少女が口を開く。
それに対し、優雅な仕草でティーカップをソーサーに置いた赤眼の少女は、やんわりと微笑みながら

「『道具(ツール)』の異名を持つ拳士について少々♪」

それを聞いた赤帽子は、眉を顰め怪訝な顔をする。
ガチャリ、と些か乱暴にカップをソーサーに置く赤帽子。

「何で、あたしが知ってると思った?只の学生だよ、あたしゃ」

その赤帽子の小柄な身体から『凄み』が溢れ出ているのは決して気のせいではない。
それを知ってか知らずか、赤眼はやんわりとした微笑を崩さない。

「ご謙遜を。『掃除屋』『赤と緑』『春堂の魔女』『星の異端者』等と同列に扱われている貴女が、『道具(ツール)』の事を知らぬわけはない…そう思っただけですわ、『地獄令嬢』さん?」

『地獄令嬢』、そう呼ばれた少女は舌打ちをひとつ。

「あんたは、それを知ってどうする?」

赤帽子の目つきが、鋭いものへと変わる。
それはまるで鷹が獲物を狙うような目。
しかしそれでいて、どこか値踏みをするような目。

「そうですわね…」

唇に人差し指を当て、んー?と思案する仕草の赤眼。
おちょくっているのか天然なのか、なんとも判断しづらい。

「とりあえず、見つけ次第ブン殴りますわ♪」

それはまるで咲き誇る向日葵の様な満開の笑顔で、彼女は言い放った。

「………」

呆気に取られる赤帽子。
だが、次の瞬間ニヤリと笑い

「ふン…解った。オイ!」

赤帽子が指を鳴らすと、どこからともなく執事然とした老人が現れ、赤眼にファイルを渡す。

「大体の事は、そのファイルに書いてある。後は、あんた次第だ」
「お嬢様、そろそろ…」
「っと、もうそんな時間か。そろそろあたしは帰るよ」

老執事に促され、席を立ち上がる赤帽子。

「はい♪ありがとうございました♪また、戦場(どこか)で♪」

満開の笑顔の赤眼。
歴戦の戦士の風格を纏い、赤帽子と老執事は去ってゆく。

変わらぬ笑顔をもってその背中を見送る赤眼。
それは瞳は、まるで『ピジョンブラッド』の様な色をしていた…
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この記事へのコメント

予想よりも早く

SSキター。

魔人を見つけ次第ブン殴るとは穏やかではない。
何と勇敢なお嬢さんだ。

  • 20070319
  • 比留間の中の人@地獄令嬢 ♦mD5gn8q6
  • URL
  • 編集 ]
Re: 水面下にて潜む者達

何と勇敢な。

Re: 水面下にて潜む者達

前からそのスカしたツラをぶん殴りたいと思っていましたわ♪

とは偽お嬢様の弁。

  • 20070322
  • 謎の縦ロール@トール ♦-
  • URL
  • 編集 ]
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